昔 −むかし−

 築庭当時は、楓を中心に松や桜も植えられていたようです。「千入の森」[ちしおのもり]は、綱政の命名です。「千入」の「入」は、染め物で染液に浸ける回数を数えることばで、「千入」は色濃く染めることのたとえです。秋、日毎に深まる紅葉のさまを指しているものと思われます。
 綱政が千入の森を眺めて残した句に、 この木のみ 上戸の中の 独下戸 (『竊吟集』) というのがあります。なかなか色を変えない楓を何日にもわたって眺め、やっと色を変えた日には 此比に のみならひたか 下戸紅葉 (『竊吟集』) と紅くなったさまを詠っています。庭に来て、季節の変わりゆくさまを眺めていた様子がうかがえます。

絵図・千入の森


今 −いま−

 紅葉が深まる秋の散策の楽しみの一つとなっています。日毎に深まる秋を楽しむ、綱政の昔と同じ楽しみ方ができる場所でもあります。
 現在は、千入の森の東に弁財天堂と東の稲荷宮があります。

千入の森のもみじ

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